資金診断

　起業に必要なお金は、事業開始準備をイメージしながら、その活動に必要な費用を積み上げていく形で算出していきます。業種によって必要となる費用は異なりますが、およそ共通して必要な費用は下記のようなものとなります。

1. 当初仕入費用
2. 備品購入費用
3. 広告宣伝費
4. 事務所・店舗契約費用
5. 設備・内装費用
6. 営業活動費
7. 法人設立費用、専門家顧問料

　事業開始後の経費を算出していきます。いわゆる「損益計算書」の予想支出額をあらかじめ算出しておくのです。経費は大きく分けて、「売上原価」「経費」「営業外費用」に分類し、見込を立てていきます。

1. 売上原価・・・仕入費用。製造業で製造原価が生じる場合は、材料や労務費、製造経費も含まれます。
2. 経費・・・役員報酬、給料、法定福利費、福利厚生費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、賃借料、諸会費、水道光熱費、保険料、事務消耗品費、新聞図書費、外注費、支払手数料等
3. 営業外費用・・・支払利息

　起業する際には、事業に必要な費用だけではなく、家計費も併せて算出をし、それを超える収益を上げられるかどうかを考えていくことになります。事業での黒字だけではなく、家計費も含めて黒字化していかないと、その事業の継続は困難となるからです。

　毎月発生する費用、定期的に発生する費用、突発的に発生する費用に分け、詳細に家計費を把握していきます。

　当センターでは、オリジナルの「家計用試算表」をご用意しています。空欄を埋めるだけで家計コストを把握できますので、ぜひご利用ください。

　事業経費及び家計費の把握ができますと、その毎月の支出を上回る収入が得られるように目標の売上高を設定し、それを実現するために何をしていけばよいかを検討していきます。

　まずは売上目標を立てるのですが、その実現可能性も詳細に検討していきましょう。そもそも目標達成が可能かどうか、仕入高に対して適切な売上かどうか、実際にどのように行動して売上を作っていくかを考えていきます。

　具体的にどれだけのお客様にどのようなサービスを利用してもらうか、ほかでもっと高品質な商品を安価で提供していないかなどの調査も行い、実現可能性の高い売上目標を作成していきます。

　事業の黒字見通しが立った場合、さらに本当に会社設立を行うのがいいのか、それとも、個人事業として始めたほうがいいのかを検討します。

　税金面のみを考えると、ある程度の収益見込みが立つ場合は、最初から会社を設立したほうが、不要な経費を抑えることができます。それ以外にも、個人事業・会社設立、それぞれにメリットとデメリットがありますので、行おうとする事業の性質も考慮し、会社設立の可能性を検討していくことになります。

　事業開始時の経費、事業開始後の収支見込みが作成できた後、自己資金の状況を把握し、具体的な資金計画を立てていきます。

　十分な資金がすでに確保されている場合は全く問題ありませんが、不足している場合は、融資を受ける、助成金を受ける、あるいは数か月あるいは数年後の事業化を目指して貯金を殖やしていくかを検討していくことになります。

　ある程度の自己資金があり、詳細な事業計画が立てられる場合は、融資を受けられる可能性が高くなります。当センターでは、お客様の事業計画と資金計画を作成したうえで、融資の可能性を診断いたします。